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ショートショート  エッチな漢字 [short-short]

「おい!おい!翔太!」
国語の自習中、後ろの席のアツシが、
鉛筆らしき物で俺の背中を突っつきながら
押し殺した声で呼びかけた。
「おまえ、漢字得意だろ?」
「なんだようるさいな、居眠りしかかってたのに…」
「俺、いまさ、国語辞典ですごいエッチな
一文字の漢字をみつけたちゃったんだぜ」
「エッチな漢字ィ? 一文字? なんだそれ?」
「すげーエロぃんだよ、当ててみ!」
「ん-、どうせおまえの愛読書のフランス書院が
出してる本のタイトルによく使われてる漢字だろ?
淫乱の淫とか、妖艶の艶とかだろ」
「ちがうよ、誰が見てもエロいの!
 小学生が見ても、老人が見ても、男も女も!」
「猥褻の、猥とか?」
「ううん、ちがう」
「うーん、じゃあ、姦淫の姦とかじゃね?
女が三人くずほぐれつみたいな」
「姦?、俺には組体操にしか見えないけど」
「だから、感じるイメージなんて人それぞれだろ?」
「いや、これは誰が見てもエッチな漢字だと思う」
「じゃあ、肉はどうだ?、内のなかに人が
入ってっし、エッチっぽくね?」
「ぜんっぜんっエッチっぽくねぇ!普通すぎ!」
「んーーーーーー、じゃあ、欲望の欲は、どうよ? 
谷が欠けている… 結構意味深じゃね?」
「ノー、ノー! もっとエロをイメージしてみろって!」
「わかった!嬲るっていう字だろ。誰が見ても
アレのことを想像しちゃうぜ」
「それも違うんだなぁ、読みが甘いなぁ」
しばらく考えたけど、それ以上のエッチな漢字は
浮かばなかった。
「だめだ。降参だ!」
「ほう。じゃあアツシ様参りました、正解を
お尋ねしますって、言ってみし?」
「参りました、お尋ねします。教えてくださいアツシ様」
「ほーら、答えはあったじゃねーか。
お尋ねの尋には、よく見るとエロが入ってるだろ!


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ショートショート  産婦人科にて [short-short]

ミス・レイコ・ポールソンさん、
診察室にお入りください。
ポールソンさん、日本語オーケーですか?
あ、純粋な日本人ですか。
よかったー。日本語が通じなかったら
どうしようかと思ってしまいましたよ。
私、英語不得意なものでね。
ほお、アメリカに十数年で、その前は日本に、
ああそうですか。よかったよかった。
それでですね、先ほどの検査の結果をお知らせ
しなくてはならないんですが、
ええ、医者をしておりますと、
いろいろありましてね、
患者さんに厳しいことを伝えなきゃ、
いけないときも多々ありましてね。
何年経っても緊張します。
慣れるなんてことはないですな。
で、ですね。
先ほどの妊娠判定の結果なんですが、
まぁ何と申しましょうか、
ポールソンさんには、はなはだ厳しい判断に
なるといいいましょうか、
日本の方だと、こういえばおわかりになると
思うのですが、えー、その、あれです。
わかりやすくいいましょうね。
妊娠されております、はい。二カ月です。
人生、生きていればいろいろありますわねぇ。
人生山あり谷ありって、日本じゃ言いますけどね。
いえね、未婚で出産されるというのでしたら、
それはご自分のご意志ですからぁ、そうであれば
こちらも万全の体制でご協力いたします。
日本じゃ、おめでたっていうんですが、
おめでたくないおめでたも、
世の中には多々ありますもんですから…
え? 何で、懐妊したのを喜んでないか、ですが?
そりゃあなた、未婚の母?私生児?とか、
産んだら産んだで、これから大変な苦労するわけで…
その前に別の選択肢をとられる方もいますので…
はぁ? 未婚じゃない? 既婚?
あれ? お名前にミス・レイコ・ポールソンって、
ありますが…?
え?日本の名字? 三つの須で三須。
あ、失礼しました。おめでとうございます、
ご懐妊です。元気な赤ちゃんを……

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ショートショート  口じゃ、ダメなの… [short-short]

え? 電話じゃ、いけない?
しょうがないじゃない。
見せながら説明できないんだから
しっかり聞いてよ。
だから説明するって。
私のをどうしたらいいか教えるから。
まず、喜ぶというのは知ってるよね。
どうしたら喜ぶのかわかるよね、
大人なんだから。
だから、途中までは普通に喜ぶのでいいの、
そのかんじでいいの。
肝心なのは下の方なの。
喜ぶのよ、わかってる? 
でもね、最後は口じゃあだめなの。
途中までは口でいいけど最後は変えるの。
だからぁ、
口は上と下、ふたつあるでしょ。
だから下の方の口をね、
そう、口をやめて、変えるの。
わかった?
く・わ・え・る。
そう、加えるのに加に変えるの。
そう、やっとわかってくれたのね。
その下に門をつけて嘉門、それが名字。
で、名前は洋子、太平洋の洋に子供の子。
はい、嘉門洋子。どう書くか、わかってくれた?
ふぅ。「嘉」の字を言葉だけで説明するのって、
なんかエロいのよね。
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ショートショート  従姉妹とセ……… [short-short]

 お正月、親戚の集まりがあって、
母親と出かけることになった。
 俺はもう中学生だし、行きたくもなかったんだけど、
じゃあお年玉要らないのね、などと
母親が言うもんだから、しょうがなく付いていった。
中学生は高校生と違ってバイトもできないから、
お年玉はとっても重要な収入源だしね。
 親戚の人たちに挨拶してお年玉貰って、お節食べて
腹いっぱいになったら、もう身の置き場所がない。
 おじさんおばさんと会話するのも面倒だし、
かといって独りで何かするというのもアレだ。
 大人はお酒飲んでわいわいやってるからいいけど、
子供ってこんなとき、ホント困る。
 リビングのテレビでは、大しておもしろくもない
お笑い番組がついていたので、しょうがなく眺めていたら、
それまでキッチンで手伝いしていた同い年の従姉妹の
めぐみが俺のところにやって来て、耳元に小声で囁いた。
「和也くん、ひさしぶりにセ……しようか!」
 息がすげぇ擽ってぇし、ぞくぞくっとして、
よく聞こえなかった。
「こっちおいでよ」
 誘われるまま、めぐみの部屋に入っていった。
「ねぇねぇ早くぅ~、こっち来て。
だめ、恥ずかしがらないで!
ほら、緊張しないで。
しっかりカラダくっつけてよ。
あ、大きくなってる。和也くんやっぱり男の子なんだ。
すごい!おっきぃよぉ。
え? 固くなってる?
ちょっと動かないで!
これでちゃんとたってる状態?
アタマのところ、ちょっと触るね?
どれぐらいあるかな? 
15センチくらい?
へぇ、小学生の頃とは、全然違うんだね。
男の子は中学生になると、そうなの?
だれでもそうなるの?
ねぇ、あたしのも、あとでちゃんとやってくれる?」
 めぐみはすっかりハイテンションになって、
俺はもうされるがままのおもちゃ状態だ。
いいかげん耐えられなくなって言った。
「めぐみ、背くらべなんてしなくていいじゃん…」
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ショートショート  占い師 [short-short]

 冬の夜の、知らない駅での待ち合わせは寒さが身に沁みる。
十代の頃なら、ジャケットさえ着ていれば平気で耐えることが
できたはずのだが、三十路を過ぎてからはどうもいかん。
 気がつくとコートのポケットに両手を突っ込み、
肩をすくめている自分に、否応でも年齢を感じてしまう。
 落ち合う予定だった友人のケータイへ電話してみると、
20分ほど遅れて来るという。
 20分というのは微妙な時間だ。
 もし、これが小一時間ということだったならば、
周辺を歩いて居酒屋でも探し、暖簾をくぐってみるという
方法で時間をつぶすことができる。
 30分、という時間なら、コーヒーショップに立ち寄るか、
本屋で新刊本や雑誌を眺めることで時間が過ぎるのを待つだろう。
 何の気無しに改札から少し離れて駅前の雑踏や
街並みをなどを何気なく眺めていると、電話ボックスの横に
置かれた小さな机と椅子が目に入った。
 机には「運勢占い10分 2千円」と書かれた
紙が貼られていた。
 占い師といえば、爺さん婆さんというのが相場だろが
三十代、いやもしかしたら二十代にも見えそうな
そこそこの外見の女が座っていた。 
(時間つぶしに俺の運勢を占ってみるのも一興か…)
 占いなど信じる俺ではないのだが、これから会う友人との
酒のつまみにでもなるだろうと、占って貰うことにした。
「ひとつ、俺の将来を占ってくれるかな」
 俺が占い師の前に立つと女はにっこりと笑って、
メモ用紙と鉛筆を俺に差し出し、名前を漢字とひらがなで
ゆっくりと書いてください、といった。
 堆 竜夫    あくつたつお
 手がかじかんでいたので、下手くそな文字になってしまった。
「これで占って貰えるかな?」
丁寧に、一画ずつ書いたメモ用紙を、俺は占い師に渡した。
 占い師は手帳のようなものを取り出し、
俺の名前の横に数字を書いては、手帳を眺め、また数字を書いて、
ということを何回か繰り返した。
「見えましたわ、過去も、未来も」
「ほう、何と出たのかな…」
「仕事の方は、あまりよくありませんね。今はそれなりの地位に
いても周りに貴方をよく思っていない敵が、とても多い。
他人を蹴落としたり陥れてきた、そうじゃありません?」
「はずれてはいないかもね」
 俺は苦笑いで答えた。当たらずとも遠からずってヤツだ。
「人生の後半からはトラブルとか、転落の相もでています」
「ほう、せいぜい気をつけなくてはね」
「結婚は、していらっしゃいますね」
「もちろん、ずいぶん前だけど」
「でも、幸せじゃない…幸せは長くは続かないと出ています」
「いや、結構うまくいってるつもりだが」
「経済的には恵まれた人生のようです。お金は流れてきますね、
ご自分の才覚以上に。奥様は資産家のお嬢様、とかではありませんか?」
おや、なぜ判ったのだろう…
 確かに、妻は地方都市の素封家に生まれ、今済んでいるマンションは
妻の名義だし、妻の実家からの援助がなければ、子供も私立の学校へ
通わせることはできない状況でもある。
 でも何故、名前を書いただけで、他人の経済状況まで
判ってしまうのだろう。
「元気な男の子ですね」
う゛、まだ結婚してることしかいってないのに、
何故息子のことまでわかってしまうのだろう。
 あまりの的中率に、驚いていると、占い師は言葉を続けた。
「お子様はお二人。二人とも男の子ですね」
 その言葉を聞いて、ようやくふっと俺の気が抜けた。
 なんだ、やっぱりあてずっぽうじゃないか。
妻の事は偶然当たっただけか。
 そうだろう、占いなんかでそこまで当たるわけがない。
「これからは、二人目のお子様に関する出費が、
とてつもなく増えると占いには出ていますよ」
「ほう。でもウチは中学校にあがったばかりの
男の子がひとりいるだけだ。二人目をつくる予定なんか、
もうとっくにないんだけどな。
やっぱり当たらないんだね、占いって…」
 俺は鑑定料を払って、さっさと待ち合わせの駅の改札に戻ろうと、
内ポケットから財布を取り出そうとした。
「あら、子供がひとりだと思っているのは、あなただけかも
知れなくてよ、堆さん」
 女占い師は、ポケットから一枚の写真を取り出して
俺に差し出した。
 そこには子供の頃の俺にそっくりな、小学生の男の子が
写っていた。
「私とあなたの子供よ。私の顔をよく見て思い出して、堆さん。
もう十年以上も前だけど、何度かはベッドと共にした仲でしょう。
やっと見つけたわ。認知、してくださいね」
 女占い師はにっこりと、笑った。


 


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ショートショート  ハッキリ言ってよ! [short-short]

え? くんにを?
何? 突然。どしたの?
わけわかんない!
はっきり言ってよ。
ホント、滑舌悪いんだから。
よく聞こえないの!
ちゃんと言って。
何? どうしたいの? 
男でしょ!
大きな声で、はい、もう一度。
口のなか?
口がどうしたのよ。
え? 中に入れる?
何を?
玉?
はぁ?
口の中にぃ……、
玉を、入れろ?……
誰が?
あたしが?
え?そんで、男が下に?
何?それ。意味わかんない?!
アタマ悪いのかって?
悪いのはアンタじゃないの?
え、もう一度いうからよく聞け?
あんた、あたしにケンカ売ってるの?
上等じゃない。
え?
口の中に…、玉を入れて…、国?
その下に?
男とかいて…、
国男…
……あぁ、あんたの名前ね…
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ショートショート 女子高生が好きになる?!  [short-short]

 教室の窓際で校庭を見ていたまっちゃんの
ケツに軽〜く右足でインステップキック!
「なにボーッと見てんだよ!、
好きな女でもできたか、ん?」
おもむろに右腕でヘッドロックをかまし、
まっちゃんのアタマをぐいぐい締め付けた。
「痛ぇーつーの!」
「何?何?、クラスの女子どもが体育の
後片付けしてるのを脳裏に焼き付けて、
今晩のおかずにでもしようってのかな?
このスケベ野郎!、お目当ては誰だ?」
「ちげーよ!」
まっちゃんはロックから逃れながら、
また校庭へとカラダを向けた。
「じゃあなんだっつんだよ、ってんだよ!」
馴れ馴れしく肩に手をかけながら、晋太郎はいった。
「なんかさ、ウチのクラスの女子どもって、太くね?
デブとはいわないけどさ、全体的に太くね?」
「おう、おまえの目は正しい。
節穴ではないのだなその目は」
「だろ?、雑誌とか、テレビとかで見る
同じ年齢の女って、もっと細いだろ、
スリムだろ? なのに、なんでこいつら
みんな太いんだ?」
「さぁな。おまえが求める明解な回答を
俺は持ち合わせてはいないな。
つまり、こいつらはおまえの恋愛対象
もしくは夜のおかずにはならないって、
いいたいわけだな」
「あったりめーだろ!」
「じゃ、おまえは    AKBとか少女時代
とかが、おかずだと?」
「おかずおかずいうなって!」
「じゃあ、言葉を変えよう。つまり
おまえはアイドルというバーチャルな
対象ではなく、リアルなこのクラスの
女子どもと何かをやりたいというのだな?」
「そうじゃねーけど、現実と理想の乖離?
おまえ風にいうと…。それを感じずには
いられなかったということよ」
「隠すなって!照れるなって!、
で、誰が好きなんだよ、いっちゃえよ!」
「だからぁ、好きになってないって!、
なれないって話してんだよ」
「ふん、よし!、じゃあ俺が教えてやろう。
こいつらを恋愛対象にする方法、
好きになる方法をな」
「なんだよそれ」
「おし、黒板来いよ、説明してやる。
まず、女子が細〜くなったところを
イメージして、細長ーく書いてみる。
そして、細く書いた女と子をくっつけて
書いてみる、ほら、『好』になっただろう、
で、大好きになるにはこれを大きく書いて……」

「……アホか、おまえ」

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ショートショート  黒くて固い… [short-short]

ねぇ、遥香ちょっと聞いてよ!
琢海君ったらさ、教室の席がいちばんうしろなのを
いいことに、さっきの日本史の授業のときにさぁ、
机の下でいじってんの。
初めは、手の中に黒い棒みたいなのが見えたらから、
なにやってんのかと思ったんだよぉ。
だからぁ~、隣の席だから見えちゃうんだって。
なんか突然目が合ったから、
「あんたやめなさいよ、しまいなさいよ」って、
いってやったの。
そしたらさ、ニタッと笑って
「肝心なのは固さと黒さなんだぜ」
とかいうの。
「さっさと仕舞いなよ」っていってんのに、
「おまえだって、入れてんだろ?」とかいうの。
(はあ…?)って感じでしょ。
そんでも止めないから、
「先生に見つかると不味いよ」っていってやったの。
そしたら調子に乗って
「こいつを手にしてると落ち着くんだ。
長さ的にもちょうどいいんだぜ」だって。
あたしに見せようとするんだよ。
ホントだって。そんでもまだいじってるから、
「知らないよ!」っていってやったら、
「知ってるかよ、Hが増えていくともっと固くなるんだぜ」
なんていってくるの。
アホくさいからシカトしてたらさ、
「ねぇねぇ、おまえはエッチ何つかってるの?」
とか、聞いてくるんだよ。信じられないでしょ。
先生に見つかりそうになったから、
「いいかげん静かにしなよ」っていったの。
そしたらさ、
「よく聞けよ、センター試験のマークシートは
鉛筆に限る。おまえ、ペンケースに2Hとか入れただろ。
あれ、だめだ。HBに変えろ、黒さも固さもちょうどいいから!」
だって、失礼なヤツ! 
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ショートショート  友達 [short-short]

え、おまえ、二人しか友達いないの?
って、それはつまらないだろ。
せっかくなんだから、友達いっぱい作れよ。
しっかりと結ばれているから、この二人で十分だって?
ふーん。
いいもんだぜ、友達って。
いっしょに遊んだり、酒飲んだり、笑ったり、
バカやったりしてよ、人生楽しめよ。
さみしくないの?
俺は耐えられないな、そういう毎日じゃ。
つーか、おまえの周りっていっぱい
おもしろいヤツいるじゃん?
絶対いっしょにだれかいるじゃん、
人を助けたり、戦ったりもするんだろ?
あれ、みんな友達なんじゃぁねーの?
でもよ、友達が二人だけ、って
公言しちゃってるんだもん、すごいよおまえ。
なかなかできるもんじゃないよ。
その辺は評価してやるよ。うん、認める。
それに、おまえその外見に反して、
結構クールなヤツなんだな。
アンパンマン!
♪「愛」と「勇気」だけが友達さ~、なんてさ。
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ショートショート  世間の誤解 [short-short]

「あーあ、おまえはいいよな、実体以上に高く評価されてるもんな」
「そんなこというなよ。俺だって自分でそう思われたかったわけじゃない。
他人がいってるだけだって。こっちは迷惑してるぐらいだよ。
勝手に名前つけられて」
「なにいってる、それで高く評価されれば御の字じゃないか。
俺なんかひどいもんよ。
実体とは真逆の判断されちゃってるんだぜ。
それが社会の常識にまで、なっちゃてるんだもんなぁ。
俺の肌、さわってみてよ?つるつるすべすべだろ?
肌荒れの代表みたいにいわれてんだぜ」
「あ、ほんとだピチピチだ」
「だろ?コラーゲンたっぷりだぜよ」
「知らんかったわー」
「おまえは宝物みたいに呼ばれてるからいいよなぁ」
「いや、でもほら、おれそんな立派じゃないっつーか、
あんたに比べたら雑魚みたいなもんだから…」
「いいよな~、おまえはどう見たって赤なのに、
金魚って呼ばれるんだもんな…
俺なんか、肌つるつるなのに、サメ肌だもんな…」
そこに、横でやりとりを聞いてたのがしゃしゃり出てきた。
「俺なんか、してもいないことをしたっていわれてんですよ!
俺たち、カラダを反らしたことなんて一度もないのに、
エビぞってるとかいわれるんですよ!腰が曲がってるのにですよ!」
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