No.39 「マンコ」 [日記]
「おーい、ここ、なんていうか、おまえ知ってるか?」
学校の休み時間に、となりの席のヒロシが眺めていた本の一部分を指差して、
俺に問いかけてきた。
せっかく人がのんびりしてるっていうのに、面倒くせぇやつだと思いながらも、
別にすることはないので俺は答えてやった。
「マンコ、だろ。それがどうした」
「ギャハー、マンコ、だってよ。おーい、みんな−、聞いたかーこいつスケベだー、
変態だぞー!いまマンコって言ったぞー!」
ヒロシのやつ、大喜びして俺を指差して笑っている。
「そういう名前なんだからしょうがねえだろ。マンコはマンコだろうがよ」
「まあ、そうだよね、ここは一般的にマンコだよね。それはさておきだな、
おまえ、知ってるか?ここなぁ、舐めたらしょっぱいんだぜ。その周りにはマン
なんとかっていうのがいっぱい生えているんだぜ、見たことないだろおまえ」
ヒロシのやつ、じぶんのモノでもないくせに、マンコについて自慢げに語り始めや
がった。
「おまえ、本物のマンコ見たことないだろ。俺、見たことあんだぜ、いいだろー、
羨ましいだろ、童貞くーん」
「だから何なんだよ。マンコ見たぐらいで偉そうに言うなや。おまえだってまだ
本番はしたことない童貞だっていってたじゃねーかよ」
悔しいから俺もヒロシに言い返してやった。
するとそこにクラス委員長のタカムラが俺とヒロシの間に割り入り込んで来て
言った。
「おい!ヒロシ。いいかげんもう沖縄県の地図で遊ぶな!」
へらへら笑ってるヒロシの頭をぺしゃりと叩いてこう続けた。
「沖縄の漫湖はな、本当は湖ではなくて干潟なんだよ。舐めてしょっぱいのは
海水と淡水が交じり合って入っている汽水域だからだ。それに、周りに生えてるのを
マンなんとかなんていうな。マングローブって、ちゃんと言え!」
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